全国カラオケ事業者協会



■インカム(収益)をアップする提案・シナリオの作成
優秀な営業は、魅力度の高い顧客にしっかりと営業していきます。インカムアップを図るべく、提案を怠りません。
 では、インカムアップのための営業とは、どういうものでしょうか。
 まず顧客の情報を的確に把握することが大切です。例えば、カラオケの演奏度数、エンドユーザーの情報、つまり繁盛店かどうか、お店の人気の秘訣は何か。そして、値上げ交渉に関するお店の対応を予測することです。そうしたことを形式化、可視化して、社内で情報を共有し、提案し合うことが肝心です。
 顧客(お客様)との密着度を高めることで、周辺の情報をできるだけキャッチすることです。
すなわち、○顧客の現状 ○ご担当者の課題、置かれている立場 ○担当者のパーソナルな特徴、スタイル ○キーパーソン(最高責任者)との現状 ○競合の現状 ○今までの営業活動の経過 等の情報を収集しなくてはなりません。
 その上で、顧客ポートフォリオの分析をふまえ、攻略顧客を設定し、重点攻略顧客のケースを作成することです。
○規模・売り上げは…
○現状の契約内容は…
○演奏度数は…
○値上げ交渉、造注関連の情報は…
そして、現状のセールス活動を振り返り、なぜ、その顧客を選定したのかをクリアーにします。
 そして、企画提案書・攻略シナリオ・補足資料を作成します。
 顧客が喜ぶ提案は、何よりも大切です。そのために情報収集が必要であり、社内を含めた、他者の知恵も活用する必要があります。


●抵抗要因への対応
 一方で、顧客が首を縦に振らないことが往々にしてあります。セールスは「断られた」時が始まりです。そこで、くじけてしまうのか、何が足りないのか考えて、どうすれば、近づいていけるのか、前進できるのか、断られた理由を考えなくてはなりません。時期的なものか、提案内容に不備があるためか。
   こうした顧客の「抵抗要因」を考え、対応していかなくてはなりません。
 顧客がこちらの提案に対して、「反対」した場合、その「反対」する理由には、次のようなことが考えられます。
●不必要を理由とするもの
「もうすでに他の有力なメーカーと取引しているから」
●不可能を理由とするもの
「予算がないから」
「不景気で買えない」など
●不決断からくるもの
「いずれまたそのうちに」
●不安心からくるもの
「信用がおけるかどうかわからない」
●誤解からくるもの
「同じ定価なら、いままでの取引先で良い」
●嫌悪からくるもの
「その商品は嫌いだから」
 こうした反対に対応するには、現状の不備を正し、顧客との密度を高めることが大切です。

 次に「価格」における抵抗です。販売抵抗の最も手強いのが価格に対する抵抗でしょう。そこで重要となるのが、「価格を売るのではなく、機会を販売する」という意識です。
 価格抵抗に対処する基本姿勢は、
●事前準備
商品またはサービスの便益で、結局はその価格が適正または安価だと思われるようにもっていく。
●信頼保持
自社の魅力、商品の魅力、販売政策の魅力について、データとして押さえ、価格に信頼をもたせる。
●断固確信
充分な準備をし、価格に対する自信を持つ。
●事実確認
価格が適正であることを裏付けるデータを集め、いつでも値打ちを証明できるようにしておく。
●適時定時
価格を提案するタイミングは、商品の特徴や利点、価値を十分に納得してもらった後が良い。

 営業に正解はありません。ケースによって変わりますし、アプローチの仕方でも変わります。
 今回は、まず、顧客をポートフォリオで分析し、攻略顧客を設定することです。そして情報を収集して提案(営業のシナリオ)を考える。そして、抵抗要因を理解し、できるだけのツールや道具を活用する。ということをお話してきました。
 皆さんの仕事に限らず、あらゆる場面で成功を収めるためには、「いいイメージ」を持つことが大切です。
今回の研修をひとつの糧として、今後もよいイメージを持ってがんばってください。本日はありがとうございました。

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