全国カラオケ事業者協会


「カラオケ白書 2016」発刊

 協会では平成27年4月1日から平成28年3月31日までの1年間を対象に全国規模の市場アンケートを実施。その結果をまとめた「カラオケ白書2016」は、21回目の発行となり随所に刷新を図りました。2015年度は、2大メーカーが揃って新商品を発表。フルモデルチェンジした新鋭機の導入がカラオケボックス市場を中心に進みました。ユーザー市場規模は、前年に比べわずかに増加。増えた要因としては、カラオケボックス市場とエルダー市場の増加が挙げられます。ただ、酒場市場は依然として減少が続いており、3500軒にのぼる店舗が減るなど、一昨年の下げ止まり感から一転、昨年はそれまでのカーブに戻る結果となりました。
 会員各位におかれましては、お届けしている「カラオケ白書2016」の掲載データにそれぞれの視点から分析を加えていただき、顧客ニーズの把握や自社の経営改善にお役立て下さい。以下、「市場規模のまとめ」について抜粋します。

■メーカー市場規模の推計
 2015年度の業務用カラオケに関するメーカーの総売上は主要2社アンケートの結果、総売上690億円と推計された。その内訳は業務用カラオケハード(本体+周辺機器)が330億円、通信カラオケの情報サービス料が355億円、その他のサービスが5億円である。メーカー取扱い台数は通信カラオケのみで52,000台。出荷台数は昨年より12,000台増加した。


■ディストリビューター(オペレーター)市場規模の推計
 地域別の売上平均値にディストリビューター総数を乗じた結果、2015年度のカラオケディストリビューターにおける売上総数は約1,932億円となり、前年度の1,914億円から0.9%と4年連続の増加となった。カラオケ機器ユーザーへの導入形態は、賃貸借取引:販売の比率は7:3で、ここ3年は賃貸借の割合が徐々に増えている。

■ユーザー市場規模の推計
「酒場」  平成28年3月末時点におけるカラオケ導入対象となる酒場施設数は全国で15万8,162件。酒場施設におけるカラオケ稼動台数は、ほぼ1施設当たり1台で、約15万8,200台と考えられる。  酒場市場における1店当たりの月間売上推計値は約98万円で、カラオケの占める売上割合は9.3%。従って、酒場における業務用カラオケの市場規模は98万円×9.3%×12か月×15万8,200店で、約1,730億円

「カラオケボックス」  カラオケボックス施設数は全国で9,555店、ルーム数では約13万4,200ルーム。カラオケ台数はルーム数と同じ13万4,200台と考えられる。カラオケボックス市場の1ルーム当たりの月間売上推計値は平均で24.8万円。従って、カラオケボックスの市場規模は24.8万円×12か月×134,200ルームで、約3,994億円

「旅館・ホテル」  全国の旅館・ホテル数のうち、カラオケを導入している施設は5,382施設。アンケート結果によれば、1施設当たりのカラオケ台数は約3台であるから、旅館・ホテル市場におけるカラオケ台数は約1万6,100台と推測される。また、1施設当たりの月間平均貸出経費の推計値は約8万円で、ここから全国推計を行うと8万円×12か月×5,382施設で、約52億円

「食堂・結婚式場・観光バス・その他」  「観光バス」では全国21,500台のバスに導入、「結婚式場・宴会場」では全国で約4,000台、「その他(レストラン、ヘルスセンター、船舶、福祉施設等)」ではエルダー市場の増加も著しく約55,000台のカラオケが稼働していると考えられる。従ってその他市場のカラオケ台数合計は約8万1,000台。カラオケ1台当たりの月間経費の推計値4万円を乗じると、その市場規模は4万円×12か月×81,000台、約389億円となる。

よって2014年度業務用カラオケのユーザー市場規模は、酒場市場が1,730億円、カラオケボックス市場が3,994億円、その他市場が441億円、合計6,165億円と推計でき、前年度(6,144億円)を僅かながら上回った。稼動台数計は酒場市場の影響から、39万台と昨年から約1,000台減少する結果となった。

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